第1月曜日の1週間 バラ色人生プログラム2019.07

明石市 プログラミング

今月のドキドキ・ストーリー

<今週のトレーニング>

ステップ1.「ドキドキ ストーリー」を読む。

ステップ2.「今月の選出ニュース」を読む。

ステップ3.「キラキラ仕事動画」を見る。

海洋プラごみ削減策で合意

「キャー、水しぶき、冷たい~」

「マリンワールドのイルカショーって楽しい!」

高丘中学校に通う2年生の中山陽子さんは、夏休みに家族3人で和歌山県のアドベンチャーワールドに来ています。

「パパ、イルカって賢いね。こんな演技ができるなんて!」大きく目を見開いて話しています。

「そうだね。 一体、どんな練習しているんだろうね。 そうそう、この後、パパの友達の紹介で、イルカショーの舞台裏へ見学できんだけど、どうする?」

水しぶきのかかったメガネをタオルで拭きながら、パパは質問をしています。

「えっ、行けるの? 行く! 行く!」 


関係者立入禁止と書かれたドアの前で3人が立っていると、

「中山さん、お久しぶりです!」通路の奥から、40歳ぐらいの作業服を着た女性の方が手を振って、歩いて来ます。 すると、パパが大きな声で、

「お、山下!久しぶり」

「御無沙汰しています。山下さん」と、ママも頭を下げて、挨拶をしています。

「えっ! パパとママと山下さんって、知り合いなの?」

「そうだよ」

「山下は、パパとママの大学時代の同級生で、今は、アドベンチャーワールドで飼育員をしているんだ」

「へ~、そうなんだ」

笑顔の山下さんが私の目を見ています。

「では、早速、禁断の扉を開けますよ。そして、一般のお客さんが知らない秘密を見たいですか?」

「は~い!」 


海上の桟橋を10mほど歩いていると、50歳ぐらいのメガネをした男性がいます。彼は、口を大きく開けているクジラの赤ちゃんの頭を撫でています。 気になった陽子さんが、

「山下さん、このクジラの赤ちゃん、どうしたの?」

「あっ、この子? とても、かわいそうなの」

「なんで?」

すると、クジラの横にいた男性が、

「この子ね、ビニール袋が胃の中にたくさんあって、エサを食べられないから、体力が弱っているんだよ」

「えっ ビニール袋を食べちゃったの?」

辛そうな顔をした男性はうなずいています。

「そうなんだ。クジラは口を大きく開けて、海中にいるプランクトンを食べるんだけど、海水を吸い込むと同時に浮遊していたビニール袋も飲み込んでしまったんだ。」

陽子さんは目を大きくして言います。

「へ~、おっちょこちょいな子だね。」

「そっか、陽子ちゃんは、今の海が異常なほど汚れていることを知らないんだ」

山下さんが下を向いて呟いています。

「えっ、どういうこと?」

「この写真を見てごらん」2枚の写真を男性がポケットの中から出して、陽子さんに見せています。

それは、たくさんのビニール袋が海中を浮遊している写真と、床に80枚ほどのビニール袋が並べられている写真です。

「うあ~、汚い~、ここって、どこの海?」

「ここは、インドネシアのバリ島近くの海中なんだ」

「バリ島? 聞いたことある。リゾート地でとても海が綺麗なところなんでしょ! あっ、えっ! ウソ!」

「もう一枚の写真は、なんでビニール袋を床に並べているの?」

「これらは、餓死したクジラの胃袋から出てきたビニール袋なんだ!」

「こんなに? クジラさん、かわいそう」

横を見ると、ママがしゃがんでいます。

「ママ、どうしたの?」

「少し気分が悪くなったみたい」

山下さんがママの背中をさすりながら、言います。

「外は暑いので、みんなで涼しい事務所に戻りましょう。」


陽子さんは両手を広げています。

「わー、涼しい!」

パパが男性の方を見ています。

「すみません。何をなさっておられるのですか?」

山下さんがジュースを持って来ています。

「すみません。 紹介が遅れました。 彼は、大阪府立大学の生命環境科学域の川崎教授です。 弱っているクジラの治療方法を考えるために、獣医学の教授に来てもらっていたんです」

先程までは元気だった陽子さんは、心配そうな顔つきで、窓越しに海を眺めていました。

「川崎先生。もう少し、クジラとビニール袋の関係についてお話を聞いてもいいですか?」

「あ、いいよ。 海中動物と海鳥は、人間が生み出した海洋プラスティックごみによって殺されているんだよ。 そのほとんどは、人間が石油から作り出し、そこらへんにポイ捨てしたものなんだ。 

雨水や風で川にたどり就いて、海へと流れていく。 そのうち、大きいものは海流し、その一部をクジラや海鳥が間違えて口の中に入れて、胃袋に溜まっていくんです。 

今のクジラや海鳥は、人間に例えると、イタイイタイ病や水俣病にかかっている状態です。 前者は、カドミウムに汚染された水を人間が飲んで、『痛い、痛い』と言って死んでいく公害病、後者は、工場から排水されたメチル水銀化合物が魚介類の食物連鎖によって生物濃縮し、これらの魚介類が汚染されていると知らずに人間が食べて、苦しみながら死んでいく公害病でした。

このように、クジラや海鳥が死んでいる理由は、過去の人間の過ちと同じなんです。 同じことが繰り返されているんです。 実は脅威はこれだけではありません。 

大きい海洋プラスティックごみは、見えます。 しかし、見えないマイクロプラスティックというものが厄介なんです。 これは、長い間,太陽の紫外線にあたり,高温にさらされ,光分解と熱酸化分解によって少しずつ劣化し、もろくなって、微小になったプラスティックのことです。 これを二次マイクロプラスティックと呼びます。

また、一次マイクロプラスティックというものがあって、これは歯磨き粉などの製品や製品原料で、人工的に微小なサイズに製造されたものなんです。 粒子径が非常に小さいため、下水処理を通り抜けて、河川・海へと流出してしまうのです。

なぜ、このマイクロプラスティックが脅威なのかというと、海中にいるプランクトンは、このマイクロプラスティックを飲み込んで、死んでしまうという研究報告があるのです。

つまり、食物連鎖により、プランクトンが減少すると、それをエサにする魚も減少し、それを食べている人間の食糧も減少する可能性があるのです。

さらに、驚きの事実ですが、人間の排泄物からマイクロプラスティックが検出されたという報告があることから、すでに私たちはそれを口にしているのです」

不安になってきた陽子さんは、小声で川崎教授に質問をしています。

「このままじゃダメですよね。 何かしなくちゃ。 何か良い方法はないんですか?」

「そうだな。 まず、簡単な方法は、ビニールをできるだけ使わないようにすること。 道端や海辺で見つけたプラスティックゴミを拾えたら、素敵なことだな。

次に、大きな話になるけど、プラスティックのリサイクルの処理工場が儲かるような仕組みを作ること。 儲けが少ないから、処理工場が少ないんだ。 だから、リサイクルされずに、捨ててしまっている。 少しでもそれを削減するために、私たちがリサイクル商品をどんどん購入して、その価値を高めていく必要があるんだ。

別の方法として、微生物がプラスティックを分解できるように、石油系プラスティックを植物原料のバイオプラスチックに変更する方法がある。 これは、日清食品のカップヌードル容器や、セブンイレブンのおにぎり包装を植物系プラスティックに変更する計画があると聞いています。このような努力をする企業を応援したいですね。」

「先生の話を聞いて、自分がなんとかしたい気持ちが強くなってきました。 海中動物と海鳥が死ぬことで、食物連鎖に影響が出たら、地球の生態系がおかしくなってしまうんでしょ。 美しい地球も汚くなるんでしょ。 絶対、こんなの許されるべきではない! でも、今の私は何もできない。知識もないし、技術もないし、、、、」

川崎教授が笑顔で、「陽子さんの今のような気持ちがあれば、大丈夫! これからは、地理、理科、数学を特に頑張ってほしいな。 そして、大学の理学部へ進学すると専門知識も最新技術も手に入れることができるよ」

「そうなんですね。 少し安心しました。 今後、やるべきことを教えていただき、ありがとうございます!」


家族3人は帰宅しました。

早速、陽子さんは、自宅に帰って、夏休みの宿題で出されている自由研究をしています。 海洋プラごみについて調べたことを用紙に何やら書いています。

それには、3つのテーマが書かれているようです。 

一つは、透き通って青くてキレイだった南国の海が、泳げないぐらい汚れている衝撃の事実について

二つは、人間の体に蓄積された有害マイクロプラスティックが人命を奪う可能性について。

三つは、海の食物連鎖の崩壊を食い止める秘策について。

川崎教授から聞いた話や写真を載せて、陽子さんは自由研究を完成させて、提出。

すると、なんと、学年で最優秀賞に! この賞をきっかけに、今では、陽子さんは、プラスティックのリサイクルに積極的に協力するようになっています。 コンビニで買い物をする時はマイバックを持参し、ビニール袋を断っています。

そして、「理科」に興味を持ってからは、点数が90点をキープ! そして、分析で必要な「地理」と「数学」に対して意欲的に勉強を頑張った結果、これらは20点もUPしています。

陽子さんの自由研究の最後には、次のようなことが書かれています。

「ゴミをできる限り出さない。このようなちょっとした行動が地球をきれいにするだけでなく、人類の危機を未然に防止できると信じています。 さらに、地球上の人々が、プラスティックゴミという共通の問題認識を持って、解決する行動をとれば、これを機に、国境を越えた地球人の絆を深めることができると思いました。」

(おわり)

今月の選出ニュース(2019/07)

海洋プラごみ削減策で合意

塾で掲示している中高生新聞を読んでいない方は、下記のサイトから記事を読んで下さい。

YAHOOニュース

https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20190628-00131812/

キラキラ仕事動画

20年後の君は、

仕事を通じて、誰を助けていますか?

誰かを救い、誰かを勇気づけるためには、「知識」と「知恵」が必要です。

今、君は当たり前のように日本の安全な学校で勉強しています。

しかし、生まれた場所が日本ではなかったために、その当たり前のことができず、未来のために勉強をしたくても、できない子供が世界に1億2,300万人もいます

この事実を受け入れられますか?

耳をふさがないで下さい。

目をそむけないで下さい。

自分には関係ないと思わないで下さい。

そして、今の君に何ができるのか考えて下さい。

最新技術を使って、地球をキレイにしたい仕事に就きたい人は、

工学部 応用化学科

工学部 化学生命工学科

工学部 バイオ工学科

工学部 工業化学科  など

への進学をおススメします。

一例として、生物化学システム工学科の動画をご覧ください。

これを視聴して、君は何を感じますか?

今週は、これでおわりです。

ご苦労様でした。